いい音楽にみちた、こだわりのテレワークを
~デスクトップオーディオ編~


コロナ禍でのテレワーク、音楽を聴きながら仕事をする方も多いのではないでしょうか。好きな音楽を聴きながら仕事をするというのは、複数の人が同じ空間にいるオフィスではなかなかできないテレワークならではのいいところです。そこで、今回はマランツのUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「HD-DAC1」を使うことで、いつも聴いている音楽がどれほど変わるのか、そして、テレワークだからこそ実践できるハイクオリティな音楽に満たされた仕事のやり方をマランツブログ編集部員Sが自宅の仕事環境で試聴してみました。

ちなみに編集部員Sのオーディオレベルは初心者から初級クラスといったところ(現在勉強中です)。自宅にはBluetoothスピーカーが1台、普段仕事中はPCに直につないだヘッドホンかモニターのスピーカーで音楽を聴いています。

USB-DAC/ヘッドホンアンプ HD-DAC1


レトロモダンなデザインがデスクトップのアクセントに


HD-DAC1は横幅25cm×奥行き27cmのコンパクトボディで、デスクの上に置いてもさほど場所を取りません。サイドにウッド調のデザインが入ることで、クラシカルでどこかぬくもり感もあり、あまりインテリアを選ばないように思います。今回HD-DAC1を設置したのは古材を使用した少しアンティーク感のあるデスクなのですが、違和感なくマッチしました。デスクトップに人とは違うこだわりのアクセントができて、いつもより少しだけ背筋を伸ばして仕事をしたくなります。

HD-DAC1はデスクトップでコンパクトなPCオーディオシステムが構築できるアイテム。ヘッドホンやパワードスピーカーで高品位なサウンドを楽しむことができます。Hi-Fiオーディオシステムに組み込んでも十分なパフォーマンスが発揮できるクオリティのUSB-DAC/ヘッドホンアンプですが、今回は、PCに接続してヘッドホンアンプとして使ってみました。

ヘッドホンはイギリスの老舗オーディオブランドBowers & Wilkinsの「P7」を、有線でつないで使用。シックで上質な音質、ニュートラルなバランスのヘッドホンです。HD-DAC1にはLOW/MID/HIGHの3段階のゲイン切り替え機能があり、通常のローインピーダンスのヘッドホンではLOWかMID、ハイインピーダンスモデルであれば、HIGHを選択することで適切な音量を得ることができます。ちなみに今回は「LOW」を設定して聴いています。


PCとのセッティングは簡単


それではセッティングしていきます。まずHD-DAC1とPCを接続する前に、Windows PCを使用している場合はHD-DAC1用のドライバーをダウンロードする必要があります。こちらのページに取扱説明書各種、ドライバーのダウンロードの案内がありますのでチェックしてみてください。(※Macユーザーの方は特に事前のドライバーダウンロードは必要ありません)

ドライバーのダウンロードはこちら

ドライバーのインストールが完了した後は、サウンド設定で出力にマランツのUSBオーディオを選びます。同じくサウンド設定から、プロパティ>詳細でD/A変換をおこなうサンプリング周波数とビット数のところで、推奨の「2チャンネル、24ビット、192000Hz(スタジオの音質)」をクリック。


 

(左)サウンドの設定で「Marantz USB Audio」を選択
(右)プロパティ>詳細からサンプリング周波数とビット数を選択


次にHD-DAC1とPCをつなぎます。こちらも簡単でした。HD-DAC1の電源コードを接続してから、HD-DAC1背面にあるUSB端子と付属のケーブでPCをつなぐだけ。


 


(左)HD-DAC1の背面 (右)PCのUSB端子


本体の電源をONにして、リモコンでUSB-DACに設定します。

 

ゲイン値は「LOW」で初期設定されていますが、聴きながら調整しても良いと思います。ゲイン値はSETUPボタンから調整可能です。

 

これで音が聴こえるかテストして問題がなければ、設定はすべて完了です!


いよいよ好きな曲を聴いてみます


音源はストリーミングサービスの中でも音質が良いとされるAmazon Music HDを利用しました。最初にHD-DAC1で聴いて、次にPCにヘッドホン直挿しで聴き比べてみました。


1)「もののけ姫」久石醸&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ

1曲目はCDと同等のハイレゾ音質が楽しめるAmazon Music Ultra HDの音源から、久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラが演奏する「もののけ姫」です。

言わずと知れた映画「もののけ姫」のテーマ曲です。劇中に流れる主題の部分は有名ですが、こちらは組曲として少し長めに構成された、ライブ版になっています。映画の中で映像と一緒に流れている曲の印象より壮大で、物語性を感じます。

HD-DAC1を介して聴くと、最初の1音からコンサートホールに連れていかれたような臨場感で驚きました。奥行きがあり音もしっかり定位しています。音像が非常にクリアで、解像度が高く、冒頭部の弦が重なる部分から拡がっていく旋律の、あまりの美しさにぞわっとするほど。まさにホールで演奏している響きや表現力を再現していました。

そして映画でも流れる有名な主題の部分、こうした現代音楽に対して使う言葉ではないかもしれないのですが、とってもエモいんです。ピアノとバイオリンの美しい音色が連なり、そこへ打楽器の、オーケストラの音が被さってくると本当に森のような、響きの荘厳さに圧倒されてじっくり聴き入ってしまいました。

その後に、PCにヘッドホンを直で繋いで聴いてみましたが、ここまで違うのか…、とこれもまた逆の意味で驚きました。全体的に音の解像度が高くないせいもあり、特に高音域と低音域がもやっとした感じで、ぼやけて聴こえます。これまであまり意識していなかったのですが、聴き比べるとPCの“音をぎゅっと圧縮した感”がわかるようになりました。HD-DAC1で聴いた後に聴くとよけいに顕著で、表現力としては単調さが際立ってしまい、エモーショナルな、感情に訴えてくるような音の臨場感を感じ取りにくいと思ったのが一番の大きな違いかもしれません。これはクラシックや現代音楽だけではなく、ジャズやポップスも含めどのジャンルの音楽にも言えることでした。


2)「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」チェット・ベイカー

2曲目はジャズです。ジャズからはボーカルもの、そしてこの記事を書いていた2月というタイミングもありチェット・ベイカーの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をセレクトしました。キレのあるクールなジャズの楽曲ではなく、柔らかさや丸みのあるボーカル曲をHD-DAC1で聴いてみたいと思ったのもあります。こちらはAmazon Music HDの音源です。

チェット・ベイカーといえばどこまでもスイートで、老若男女がうっとりする歌声が特徴的です。丸みを帯びて少しこもったような、独特の柔らかさのあるボーカルがどんな風に聴こえるかワクワクしながら聴いてみました。

HD-DAC1で聴いてみて最初に感じたのが、バランスの良さです。ボンボンと響くベースの音が強すぎず、弱すぎず、チェット・ベイカーの声と絶妙に心地よいバランスを保っています。ボーカルの高音の響きがクリアで、ただ甘いだけではない、優しい手ざわりの上質なシーツにくるまれたかのような気持ちの良さを感じました。解像度が上がることで、音がさらに研ぎ澄まされ、チェット・ベイカーが耳元で歌っているような贅沢な感覚にも陥ります。その後にPCだけで聴いてみると、低音のもやっとした粗さが気になり、そのせいか、耳への圧力が強くなったような…、あまり心地よくは感じられませんでした。


3)「Rain On Me」レディー・ガガ&アリアナ・グランデ

3曲目はポップスです。Amazon Music Ultra HDの音源から、レディー・ガガとアリアナ・グランデ、ポップスの女王2人が歌うこの曲は2020年のグラミー賞「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」にもノミネートされました。

2人の声がしっかり定位しているところから、高音の伸びとハーモニーのバランスはさすがです。低音も主張しすぎず、全体としてきれいにまとまっている印象を受けながら、粒立ちの良い音がはじけるように迫ってきます。高音も低音も余裕のある響きで、極上のポップス感が思いきり味わえました。

その後にPCから直に聴くと、声ののびやかさが全然違う印象です。音域の限界から高音、低音ともに余裕がなく、空間も狭く感じ、味気なさが残りました。

全体を通して言えることですが、HD-DAC1で音楽を聴くと、今まで知っていたと思っていた楽曲がもっと魅力的に聴こえます。よく聞く曲もその良さが分かっていたようで、あまり分かっていなかったんだなと実感します。ヘッドホンアンプを介して音源を聴くことで、PCのヘッドホンジャック直挿しでは聴こえてこない音があることにも気づきました。音像がクリアになることで、さらにその曲の面白さが見えてきて、音楽への探求がより楽しくなります。

今回は、ヘッドホンアンプ1台を介するだけでこんなに聴こえ方、感じ方が変わることに驚きました。仕事時間が今までより楽しくなりそうです。みなさんもぜひ、テレワークだからできる充実した音楽ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?


(編集部S)

20201年3月3日